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豊島邸への設計の思い

こんにちは!香川大学大学院 修士2年の小坂です。

今回は、豊島邸の改修で私たちが大事にしている「設計の思い」についてお話しします。

私たちは、「笠島で暮らしたい!」と思ってもらえる未来をつくることを目指していて、その最初の取り組みとして豊島邸の改修を進めています。

笠島は、重要伝統的建造物群保存地区に選ばれていて、船大工をルーツにもつ塩飽大工さんが建てた町並みがとっても魅力的なんです。

でも、そんな素敵な笠島なのに、「なんだか自分たちが暮らすイメージがわきにくいな…」という感覚がありました。そこで、「もしかして現代の私たちの感覚が少しズレてきているのでは?」と考え、日本の伝統的な家屋が持つ“空間の豊かさ”をもう一度見つめ直して、実際に体験してもらえる場所にしよう!と思いました。

笠島の町並み

笠島の町並み

“空間の豊かさ”ってなんだろう?

その答えを探す中で、私たちは「建具」に注目しました。
建具というのは、襖や障子、引き戸や雨戸、欄間などのこと。動かすことで空間の使い方を自由に変えられる、日本の家ならではの仕組みです。

豊島邸にはたくさんの建具が残っていて、この「ゆるやかで曖昧な境界」や「変化できる空間」を活かせば、きっと豊かさを感じてもらえるはず、と思いました。

豊島邸にある建具たち

音で感じる笠島の魅力

じゃあ、それをどうやって体験してもらうか?
そこで出てきたのが「音」というアイデアです。

笠島の家々は、船大工の技術を生かした塩飽大工の手で作られていて、とても気密性が高く、響きもきれいです。さらに音は、言葉が違っても誰にでも伝わります。

そこで、音響機能を持った建具を豊島邸に入れて、音を通して空間の豊かさを感じてもらおうと考えました。

設計当初のイメージパース

畳と板間の違いを体験

もう一つの工夫は、ザシキ側を畳の部屋、海側を板張りの部屋にすることです。

今はフローリングに椅子とテーブルの生活が多く、畳の部屋に座って過ごす時間は減っています。でも畳には畳ならではの温もりや落ち着きがあって、それがなくなっていくのはもったいない!と思いました。

畳では座布団、板間では椅子に座る。
そのときの目線の高さの違いを体験することで、自分たちの暮らし方や空間の感じ方がちょっと変わるかもしれません。

ザシキの畳(右)と板間(左)の対比

ザシキの畳(右)と板間(左)の対比

改修のねらい

こうして「音響建具」と「畳と板間の対比」という2つの仕掛けを通して、豊島邸が持つ空間の豊かさを味わってもらい、住まいや暮らしを見直すきっかけになることを目指しています。

終わりに

これが豊島邸の設計に込めた思いです。
「どうしたら笠島で暮らしたくなるのか?」「どうやって豊島邸の豊かさを伝えるか?」を、メンバー全員で話し合ってきました。

頭の中のアイデアを形にするのは大変で、協力してあただく方々にもたくさん支えてもらいながら進めています。まだ道半ばですが、みんなで力を合わせて最後までやり切ります!

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
次回のブログもぜひ楽しみにしていてください!

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